★ 「子どもの生活」の様子は… 「習い事」の調査を見ると,週1〜2日習い事をしている子が半数以上で,その習い事の多くがスポーツ関係です。また,保護者の多くが,習い事に「体力づくり」を期待しているということは,戸外で遊ぶ機会や複数の友だちと遊ぶ機会が少ない家庭があると考えられます。
「遊び」についての調査からは,平日は兄弟姉妹や2〜3人の少人数の友達と遊んでいるという子どもの姿がうかがえます。遊び場所としては身近な戸外だけでなく室内も多く,大勢の友達とかかわりながら様々な体験をしていくことが少ないように思います。
「家にあるものの使用頻度」ではテレビやビデオ・DVD,絵本の使用頻度が高いようです。また,テレビゲームだけでなくパソコンを使う子もわずかですが見られ,幼児の生活にも情報化の影響が感じられます
近年,都市化,情報化,国際化など経済社会の急激な変化が,地域社会における子どもの育ちや家庭における子育て環境を変化させています。それらの変化が,柏市の子どもたちの生活にも影響をおよぼしているのではないでしょうか。★ 「子どもの成長」に対する保護者の意識とその状況は… 近年,子どもたちの育ちについては,「基本的な生活習慣や態度が身についていない」「他者とのかかわりが苦手である」「自制心や耐性,規範意識が十分に育っていない」などの課題が指摘されています。「基本生活」「人とのかかわり」「言葉」についての調査結果を見ていくと,首都圏の子どもたちとほぼ同じ傾向であるといえます。前述の課題は,柏市の子どもたちにとっても課題であると言えそうです。特に,周りの人に挨拶をすることや自分の気持ちをきちんと話すこと,我慢することなど,「人とかかわる力」の不足が心配されます。
「子どもの成長」に関する保護者の意識調査でも,「人とかかわる力をもっと身につけさせたい」という親が1番多くて,6割以上も見られました。その点から考えても,「人とかかわる力」の育成が,柏市における家庭教育や幼児教育の今後の課題であると言えそうです。★ 「保護者の育児観」については… 『子どもの成長』では「人とかかわる力」の不足が懸念されていますが,保護者の育児観においても「他者への思いやりをもつこと」に力を入れて子育てをしているという回答が一番多く,人間関係に関する意識の高さがうかがえます。さらに,「基本的な生活習慣」「丈夫な体」と続き,それらは,近年の子どもの育ちに対する課題と重なってきます。 「就学までに身につけることが大切」としているものの中で,「他者への思いやり」「忍耐力」などを「幼稚園や保育園」に期待しているという保護者が約半数いますが,子育てで一番力を入れているのが「他者への思いやり」であるのに,それを身に付けることは園に期待しているという点が気になるところです。戸外で大勢の友達とかかわりながら遊ぶという体験が少ない現在,集団生活の中で身に付けさせることが大切と考える親は,園に期待することになっていくのでしょうか。家庭と園との連携の大切さを感じます。
子どもの将来については大学卒までを望んでいる親が多く,教育に対する意識の高さを感じます。しかし,「社会のために尽くす人」や「仕事で能力を発揮する人」になってほしいという回答は少なく,その教育を子どもの将来にどう繋げていくかという点では不明です。★ 「子育て支援」に対する保護者の意識とその状況は… 「仕事以外で家を空けるとき,子どもの面倒を見てくれる人(場所)がない」という家庭が約1/4もあり,子育ての孤立化が懸念されます。面倒を見てくれる人(場所)としては,「祖父母や親戚」「夫(妻)」がほとんどですが,「幼稚園や保育園の預かり保育」の利用も多く,面倒を見てくれる人(場所)がない家庭のことも考えると,これからますますニーズが高くなっていくと考えられます。
また,「幼稚園や保育園に期待すること」を見ても,子どもの教育に関することだけでなく,「一時預かり」「保育時間の延長」「親同士の交流」「子育て相談」等も多くなっています。園の役割として「子育て支援」も求められていることが分かります。★ 「子育ての悩み相談」に対する保護者の意識とその状況は… 「育児やしつけを主にしているのは母親」という家庭が約3/4をしめ,育児にたいする母親の負担の大きさがうかがえます。また,子育ての悩み相談の場所としては,祖父母等より夫(妻)をあげている家庭が多く,核家族の若い親同士が子育てに悩む姿がうかがえます。さらに,子育ての悩みを相談する人(場所)がないという親が約7.5%もおり,ここでも子育ての孤立化が懸念されます。
「子育ての悩み解消のために望むこと」は,「親同士が気軽に相談できる場」「子どもと一緒に遊びながら気軽に相談できる場」を望む親が多く,上記の「園に期待すること」と重なります。また,「先輩方に相談」「相談の案内窓口」「園や学校とも連携した相談」「専門的な相談」等についても,それぞれ約2〜3割の親が望んでおり,多様な悩みに対する様々な支援が求められていることが分かります。まとめ
以上のことから,社会の急激な変化が柏市の子どもたちの生活にも影響をおよぼしており,幼児のいる家庭では子どものよりよい成長を目指して「基本的な生活習慣」や「人とかかわる力」の育成に力を入れていることが分かります。しかし,それらの力を身に付けていく場としては幼稚園や保育園の役割も大きく,子どものより良い成長のためには,家庭と園との連携がキーポイントとなっています。 また,幼稚園や保育園には「子育て支援」の役割が求められており,そのニーズは今後ますます高まっていくと考えられます。
「子育ての悩み相談」としては,多様な悩みに対する様々な支援形態が必要とされています。「家庭の教育力」を高めるためには,園や公共施設(相談機関なども含め)など地域社会が育児を支えていくと同時に,親自身も積極的に地域社会にかかわっていくことが大切ではないでしょうか。